味の傾向:マイルド系
オススメロースト:フルシティ
コメント:マイルド系で豆を挽いているときに甘い香りが広がり、クリーンで飲みやすいコーヒーです。
詳細情報
国名 :ニカラグア
エリア :マタガルパ、アランフェス
農園 :ラ・ウェラ農園
標高 :1,300m〜1,400m
豆の種類 ::エチオサル
精製方法 :ウォッシュド
カッピングプロファイル
- チョコレート、オレンジ、プラム、グリーンアップル、グレープ、ブライトアシディティ、ラウンドマウスフィール
ラ・ウェラ農園は、首都マグアナの北部、マタガルパ、アランフェスに位置する農園です。2014年にミエリッヒ・ファミリーが購入した比較的新しい農地で、素晴らしいマイクロクライメットを有する事から、新しいコーヒーを探求する農園としてラ・ウェラ農園はスタートしました。近隣には彼らが古くから所有するママミナ農園やロス・アルトス農園もあり、ニカラグアでは比較的高地となるこれらの農園の栽培方法を応用しています。また、ラ・ウェラ農園はアレナル自然保護区内にあるため、森林の伐採や水質汚染を制限されており、自然豊かな環境でサスティナブルなコーヒー生産を行うモデルともなっています。
ラ・ウェラ農園の魅力
農園には、エチオサル種の他に、イエローパカマラ、イエローパカス、レッドパカマラ、ジャバニカ、オレンジブルボンなどミエリッヒのコーヒーの代名詞ともいえる選りすぐりの品種が植えられています。また、近年はゲイシャやピンクブルボン、オバタン、SL28などの試験栽培もおこなっています。
この農園がもつ微気候のユニークな点は、1日の半分が霧に覆われる事です。その為、ラ・ウェラ農園ではニカラグアで多くの農園が行うようなシェードツリーはほとんど見られません。一方で霧が晴れるとシェードツリーによる日陰の影響を受けずに、コーヒーの木々は十分な日照を得る事ができるため、日陰栽培に向かないゲイシャやパカマラ種にも適応しやすい環境だと語ります。
また、自然保護区内にあることで生態系の豊かさ、これに伴う同上に住まう豊富な微生物、肥沃なシルト質土壌の恩恵を存分に享受し、農薬をほとんど必要としないほど豊富な栄養素に恵まれた農園でもあります。
エチオサル種
エチオサル種は、ルメ・スーダンとサルチモールの交配種です。ルメ・スーダンは南スーダンとエチオピアの国境近くにあるルメ・バレーで発見された野生種、ビジャサルチは、コスタリカのサルチ村で発見されたブルボンの変異種とティモールハイブリッドの交配品種です。エチオサル種は、高地での生産に適しており、その風味もさることながらサビ耐性、収量に優れている品種です。2010年代のさび病による壊滅的な被害に学び、コーヒー生産の持続可能性と高品質を兼ね備えた品種の開発が各国で進められており、エチオサルもこうした挑戦の1つです。
Fincas Mierischでは、こうした品種を試験栽培する苗床を所有しており、また接ぎ木を行う設備を持っていることも彼ら独自の特徴です。対象となるアラビカ品種に対して、リベリカ種の変異であるエクセルサ種の根を接ぎ木しています。エクセルサ種の根は乾燥や線虫の被害からコーヒーを守る効果があります。また、アラビカ種の根に比べ頑丈である事、アラビカのカッププロファイルに影響を与えない事から、2000年代初頭から実験を開始し、ミエリッヒの代名詞でもあるジャバニカ種を皮切りに、現在は新たに新植するプロットは全て接ぎ木を行った上で農園に植えられています。
2024年カッピングコメント
ジューシーな果実味と熟度感があり、木の成長のせいか昨年に比べて一段フレーバーが乗ってきたようにも感じます。ストーンフルーツやグリーンアップル、少し葡萄のような風味も感じられ充実した印象でした。マウスフィールも厚みが増し、濃厚に感じました。風味の傾向として、焙煎においてはミディアムよりも浅めか深めかはっきり振ったほうが個性が伝わり易そうな印象を受けました。また、冷めてからの酸の印象も甘さが伴い良い印象です。是非お楽しみいただければと思います。