
味の傾向:マイルド系
オススメロースト:フルシティ
コメント:気持ち深めの焙煎にすることで甘い香りが強まり、非常にバランスの取れたマイルド系の味わいになりました。浅煎りは△、深煎りはこれから確認します。
詳細情報
国名 :コロンビア
エリア :ナリーニョ県サンロレンソ、タミナンゴ
農園 :エコテラ生産者組合
標高 :1,800m〜2,100m
豆の種類 ::カツーラ、カスティージョ、コロンビア
精製方法 :ウォッシュド
カッピングプロファイル
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- チェリー、レッドアップル、ブラッドオレンジ、ビターチョコレート、ラウンドマウスフィール
トロピコ・スルは、ナリーニョ県サンロレンソ周辺の25の小規模生産農家による高品質なスペシャルティロットです。彼らの母体となるTERA COFFEE SASは、2015年に設立された若い生産者グループで、ウイラ県とナリーニョ県を拠点として、高品質なスペシャルティコーヒーの生産に取り組んでいます。ナリーニョ県には140名、ウイラ県には120名のパートナー農家がおり、それぞれの県で【Ecoterra(ナリーニョ)】【TERRAVERDE(ウイラ)】という生産者組合として活動を行っています。
2015年にコーヒー生産に従事していたウベマル・ラッソ氏が小さなコーヒー農家でも直接市場に対して取引を行える事を目標に家族経営でTERA COFFEEを設立し、地域の仲間と生産者組合を作り、活動をしてきました。ウベマル氏は、品質を向上させ、マイクロロットを市場に出すことで、生産者とその家族の生産するコーヒーの価格を上げるだけでなく、生産者の仕事に対するプライドを高めること、そして小規模農家がその限られた土地や生産能力の中でも幸福になれるために力を尽くしています。

文化を守りながら
ウベマル氏は自身の豊富な経験を携え、一軒一軒の農家を全て訪問し、農家ごとの改善点をアドバイスして回っています。最終的なコーヒーの品質・カッピングプロファイルを重視した中で、それぞれの地域のニーズと課題を理解し、各グループに最適な解決方法の提案を行っています。ピッキング方法や乾燥方法などの変更が容易なアドバイスから栽培方法や農園管理、生産処理方法など技術的なアップデートを実施することで、良い結果を導き、彼らのコーヒーの品質、そして収益の改善に繋げてきました。また、コロンビアの小規模なコーヒー農家では、主に食料となる他の農産物を農園内で混植することも特徴の1つで、バナナ、トウモロコシ、豆類、そしてオレンジ、ミカン、アボカドなどの果樹類が主に栽培され、パン・コジェールと呼ばれる文化的な生産体系を持っています。こうした土地に根付いた生産文化の維持を重要としているのも彼らの特徴であり、他の植物との混植により土壌が安定し、生産量や品質に寄与する事、浸食を防ぐことなどからも伝統的なコーヒー生産手法を大切にしています。
品質向上によるプレミアムによって、生産者自身やその家族の生活環境が向上しただけでなく、子供たちへの教育や生産インフラの改善、技術的な投資など持続可能なコーヒー生産へのモチベーションを高めています。

Mastercol社
このTERRA COFFEE SASの輸出を手掛けているのがMastercol社です。彼らは遠隔地やアクセスが困難な地域の生産者の市場参入をサポートするべく2019年に設立された輸出業者・プラットフォーマーでドライミルや品質管理サポート、販売チャネルのみならずマーケティングやブランディングのサポートも行っています。独自のプラットフォームを用いる事で、遠隔地の小さな農家でも透明性を持ったコーヒーの流通ができるとして、現在多くの生産者から支持を受けています。デジタルツールを利用したベンチャー企業である一方で、コーヒー生産者が心を込めて生産したコーヒーの品質が最大限に発揮されるように最新のドライミルや設備で輸出業者としても信頼を勝ち取っています。
TERRA COFFEEも彼らと協力をしながら、Ecoterraに所属する1~3Haほどの小規模な生産者による高品質なスペシャルティコーヒーをトロピコ・スルとして販売をしています。その名前の通り、トロピカルフルーツやマンダリンオレンジなどのプロファイルを持ち味としており、ナリーニョらしいフルーティでボディ感が魅力のロットです。
2024年9月カッピングコメント
チェリーやブラッドオレンジ、りんごなど果実感のあるフレーバー、マウスフィールやカップの濃度感、ビターチョコレートのような甘さの印象など、ナリーニョらしいマイルドコーヒーのカップバランスを感じさせてくれます。取り立ててユニークな特徴はございませんが、定番として使いやすく、安定したクオリティのロットに仕上がっています。