味の傾向:マイルド系
オススメロースト:シティ1
コメント:マイルド系で焙煎後3日目からより甘い香りが広がり、クリーンで飲みやすいコーヒーです。
詳細情報
国名 :ブラジル
エリア :ミナス・ジェイラス州セラード、ヂアマンチーナ
農園 :バレ・ド・クリスタル農園
標高 :1,250m
豆の種類 ::サンタローサ(カツカイ選抜種)
精製方法 :ドライ・オン・ツリー
カッピングプロファイル
- フローラル、アプリコット、レッドアップル、アーモンド、ミルクチョコレート、ラウンドマウスフィール
バウ農園/トミオフクダ氏は30年来にわたってコーヒー品質と生産性の向上に取り組んできました。同時に、適地適作、コーヒー栽培に向いた土地に拡大することは長年のトミオさんの願いでもありました。しかしながら、ブラジルコーヒーの主要生産地とされるミナスジェライス州セラードでさえ、土地購入は非常に高い投資となる事から、近隣で良い農園を探すことは困難でした。
そこでトミオさんはバウ農園の近郊にはこだわらず、これまでとは全く違うコーヒーを作るための土地を広く探し求めはじめました。ようやく見つけたのが、バウ農園から車で6時間以上離れた距離にあるジアマンチーナという町。バウ農園から東に500㎞、標高1250m、しかしコーヒー生産地としては全くの無名の地にある120ヘクタールの土地でした。バウの位置する所謂セラードの土壌とは異なり、土壌のpH値や肥効の良さが特に魅力的です。
そして、この農園には大粒のクリスタルが地面に転がっていて、そこから「バレ・ド・クリスタル(Vale do Cristal)農園」と名づけました。2018年に植樹を行い、トミオさん夫妻はこの土地に常駐してコーヒーの木を育成。そして2022年に初収穫を迎えました。Vale do Cristal農園の開拓はゴールではなく、バウの成長の一部です。
ドライ・オン・ツリー
「 Dried On Tree(DOT)(ドライ・オン・ツリー)」は、コーヒーチェリーが熟してもあえて収穫せず、樹上でカラカラになるまで乾燥させるプロセスです。乾期に全く雨が
降らない気候特性を利用したBAU農園独自の製法で、トミオ・フクダ氏のコーヒーの代名
詞として日本で、長年愛されてきました。バレ・ド・クリスタル農園では2022年にはじめての収穫をむかえ、日本向けにDOTを生産しました。
樹上乾燥という特殊な収穫方法ゆえに、DOTは品種を選ぶ手法だと言います。乾燥時に風邪でチェリーが落下しやすい品種もあり、加えて病耐性や生産性など品種の適性を見極める必要があります。今回のサンタローサ品種は、レッドカトゥカイ品種のコーヒーの木の中から優れたものをトミオ氏が独自に選抜した品種です。
5年後、そして10年後に向けて
Bauチームは、日ごろから絶え間ない向上を追い求めるように教育を受けています。現場では、この姿勢を「Kaizen 」と呼び、ゆるぎのない「5S」の文化とともにチームの一人ひとりの中に根付いています。革新や技術への投資も惜しむことなく行い、「People(人)」、「Plant(植物)」、「Process(過程)」の3つのPにフォーカスして仕事に取り組んでいます。 Bauでは、従業員への指導を今のようにしっかりと継続したとしても、気候変動などの逆境により持続可能なコーヒーの生産はこれからより困難なものになるという見通しを立てています。しかしながらスペシャルティーコーヒーの生産と消費は、グローバルマーケットにおいて強いトレンドであることは確かで、Bauとしてもこの動きにこれからも即していきます。こうした需要の高まりに即座に対応するため、Bauでは現在、さまざまな品種や精選方法を用いた生産を拡大するための設備投資が積極的に進められています。
2024年カッピングコメント
前年クロップよりバウDOTの代替えとして生産開始したドレ・ド・クリスタル サンタロサDOT。今期もフロラルなフレーバーと共にチョコレートを感じさせる甘くマイルドな質感に仕上がっています。昨年に比べると樹齢のせいか、重さが加わったように感じ、甘さの印象が強くなったようにも感じます。林檎のような爽やかな果実味もあり、バランスよく楽しんで頂ければと思います。